ドコモ ソフトバンク の完全定額制導入に学ぶ 「時代の流れに沿いつつ、トータルで利益を確保する方法」

昨日のFNNニュースから。
ソフトバンクもドコモに追随して、通話料の定額制導入を発表したそうです。


これにより、ソフトバンクの利用者は、誰にどれだけかけても2700円/月の定額でのサービスを受けられると。KDDIも定額制の導入を検討しているそうですのでこの流れは止められないということになりましょうか。
そもそもスカイプやラインでは、すでに通話料のかからないサービスを提供しておりますものね。

あらゆるサービスの値段が下がり、これまでお金を払って当然であったものが、タダであることが当然という世の中になってきました。

商売をする側にとっては、厳しい時代です。

しかし、企業活動をしていくのであれば、常に人件費はかかりますし、設備の維持費や新たな設備投資もしなければなりません。
ある部門で定額制にしたり、極端な場合はタダにすることによって、新規顧客を取り込み、また既存客の維持に努めることができたとしても、
他部門ではきっちり売上を確保していなければ、企業は早晩倒産してしまいます。

それでは困りますので、どこかで利益を確保しなければなりません。

なんて、細切れに考えるとこむずかしい話になってしまうのですが、
結局は見せ方の問題なのではないかと思うのですよね。

ん?

見せ方の問題?

要はですね、
完全定額制!!とか、
○○料(たとえば通話料)無料!!とか、
いってもですね、
結局は、見せ方の問題だと思うのですよね。

ん?まだわからない?

つまりですね、

無料にみえたかもしれないけど、無料じゃない(有料サービスだと)。
定額制でお得にみえたかもしれないけど、もしかしたらそんなにお得じゃない(普通のサービスだと)。

それを無料にみせた、お得にみせたという見せ方の問題じゃないかといいたいのです。

会社(なり事業主)にとって大切なことは、
トータルで利益が確保できるかどうかということであって、
・会社全体で利益を確保するために必要であるならば、ある部門が赤字でもかまわない。
・長期的に見て黒字になるのであれば、あえて一時的に赤字になることも必要だ。
その発想が大切だと思うのです。

ある一部門が赤字であっても、
ある一時期が赤字であっても、
それが会社全体として黒字を確保するための必要な仕組みであれば、
何の問題はないということなのです。

携帯各社がよくやるように、
「無料」だとか「定額制」だとかの言葉をつかうのは、
そこに価値(お得感)を見出してしまう人間心理を突いた戦略ですが、
結局、携帯各社は長期的に全社的にみて利益をあげ続けるための方便として、
それらの言葉を使っているのです。

入口段階での心理的ハードルを低~く設定して、
結果的に、
ひとりの顧客からうす~くなが~く御代を頂戴するビジネスとでもいいましょうか。

携帯電話各社に限らず、
そのほか通信系、ウェブ制作系、通信系、お勉強系、コンサル系(弁護士も含む)などの仕事は、
目先の単発業務であくせく受注競争するというよりも、
髪は長~い友達(っていつの時代のCMだ。知らない人はスミマセン)というように、
いかに長期的な関係を築いたうえで、顧客に負担を感じさせないように(むしろお得感を感じさせながら)、
気持ちよく御代をお支払いただくか、という視点が大切だと感じています。

お客様のためということもありますが、身もふたもない話、そういう時代にはいったのだと思っています。

極端な話、それまで重要な収益の柱であった基幹業務それ自体が、無償サービスのひとつという位置づけになってしまう。
そういう時代の流れにはいっているのではないかとみています。

例えば、あるウェブ制作業者さんが、
ホームページ制作無償!!と打ち出したとしましょう。
これに対して、え!! タダでつくってくれるの!?
と、すぐにでも飛びつく人たちはたくさんいると思うのです。
とくに起業したばかりの人たちなどは(私もとびついてしまいそうだ。。)。

しかし、当たり前ですが本当のタダではない。
ドメインやサーバーの管理、サイト管理、SEO対策などの名目で、今後継続的に毎月1.5万円は別途お支払いただきます
というような手法をとることによって、トータルできっちり有料のサービスになっているのですから(1年で18万円払うことになる。これが2年目、3年目と継続されれば売上がどんどん積み重なる)。

結局は見せ方の問題なのです。

入口のハードルを低くすることで(当然有料であるべき業務サービスを無料と打ち出す)、
ひとりの顧客から吸い上げる売上額を、単発的な業務を有料で受注したときと比べて、格段に大きくしてしまうということなのですね。

ホームページ制作をタダと謳っている業者さんはさすがにいないようですが、そのような業者さんも早晩でてくると私はみております。
(だって、競争が激しすぎるから。単発業務の価格破壊がとまらない→別の部分で利益を確保する方向に向かう)

え、そこまで無料なの!?
とお得感を感じていただきながら、
実はしっかり利益も確保するというのが、
商売人の正しいあり方なのではないかと思う次第です。
適正価格でそれに見合うサービスを提供するのですからわるいことはありません。
人はみな商売人なのさ(ってなんだそれ)。

みなさんの業界はどうですか。
自分のいる業界がどの程度の競争社会であるのかを見極めながら、
同業者の一歩先をゆくサービス体系(価格体系)を考えてみてはいかがでしょうか。

最後に。
戦略なき無料サービスは、自分の首をしめるだけですので気を付けましょう(笑。。いごとじゃない?)

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