犯罪手口制度ってなんだ?

常習犯人によって反復される犯罪のやり方のことを「犯罪手口」といいます。

知ってました?

警察庁及び各都道府県警は日本全国で発生する「犯罪手口」に関する資料を作成、収集、データベース化して、相互に照会しあうことで、犯人の検挙に役立てています。

何か事件が発生した時に、このデータベースがあることで、同一犯と疑われる事件はないのものか、共通事件としてさらに炙り出せる犯人への手がかりはないものか分析することができるのですね。

この制度ことを「犯罪手口制度」といいます。

知ってました?

最近購入した警察庁刑事局捜査第一課手口編著「犯罪手口資料の解説と運用」(昭和59年7月1日発行、令文社)によりますと、犯罪者は、自分の最も得意とする手段、方法による犯罪を繰り返してしまうそうです。

これって分かる気がしませんか。

洗濯物のたたみ方、料理の仕方、友人との約束の仕方、なにかの段取りの付け方、仕事の進め方、要は日常の行動のなにからなにまで、人には自分なりのスタイル(なんて洒落た言葉)や得意なパターンがあって、あえて変えようとしない限り、なにごとも自分のやりやすいようにしかできないものですから(え、違います?)。

例えば、窃盗罪と一口に言っても、空き巣狙い、事務所荒らし、車上ねらい、ひったくり、すり、万引き、置き引きなどかなりのバラエティがあり、侵入窃盗をやるような犯人と単純なひったくり犯ばかりやる人とは、まったく別の思考回路、行動パターン、性格をもっているような気がします。

また、詐欺罪と一口にいっても、借用を口実に騙し取る詐欺(寸借詐欺等)、偽造有価証券(商品券やテレホンカード等)を利用した詐欺、取り込み詐欺、無銭飲食詐欺、保証金詐欺(保証金等の名目で金銭を騙し取る)、寄付金詐欺(人の善意につけこむ)、出資金詐欺、結婚詐欺(結婚することを口実に、借用、事業資金援助等の名目で金銭を騙し取る)、保険金詐欺(人が死ぬ物騒な事件がたびたびニュースになる)、架空請求詐欺、振り込め詐欺など、とても同じ犯罪とは思えないほどのバラエティです。

これだけ種類がありますと、犯罪者といえども、一度手に染めた犯罪手口をやめて、別の手口を次々と実行に移すような者はいないと思うのです(よほどのマニア的犯罪者でない限り)。わざわざ経験したことのない犯罪手口を開拓していくのは、リスクも高そうですし、何より面倒だと思うのです。

みなさんも新しいことをやるのは面倒だったりしませんか?

いつも同じ定食屋にばかり行ってしまう。
さらにいつも同じメニューばかり頼んでしまう。
いつも同じようなタイプの異性ばかり口説いてしまう。
いつも同じような休日の過ごし方をしてしまう
いつも同じようなミスをしてしまう。

自分を振り返ってみて、なんだか変化も成長もないなあとがっかりしてしまいます。

そんなわけで、犯罪手口に限らず、人はあらゆる場面で、同じような行動を繰り返してしまう生き物ではないかということで今日の話はおしまいです。
陳腐な結論でスミマセン!

【補足】
資料が古くて申し訳ないのですが、昭和59年当時における犯罪手口分類基準表によりますと(上記文献参照)、
警察庁は、強盗・窃盗だけで74種類の手口、詐欺では41種類の手口、性的犯罪では14種類の手口に分類しています。
プロの分類はこんなに細かいのですね。
違いの分かる男が、やはりプロということなのでしょう。
♪ タララ~ ♪ ラ~ ♪ ラ~

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