弁護士と別れさせ屋
夫と別れたい。
妻と別れたい。
こんな会社はもう辞めたい。
あんな従業員はもうクビにしたい。
要求が厳しい取引先と縁を切りたい。
信用力のない客先をきりたい。
弁護士に持ち込まれる相談のかなりの部分は、
このようなもう別れたい、もう終わりにしたいといった、
要は人間関係や取引関係の終了にまつわるものであったりします。
その意味で、弁護士は、「別れさせ屋」の側面があるのです。
弁護士と別れさせ屋|弁護士がやってはいけないこと
もちろん弁護士が、
離婚をしたがっている依頼者からの依頼をうけて、
刺客を送り込んでその配偶者に浮気させて、
それを証拠に愛想の尽きた配偶者との離婚を実現させるようなことはしません。
このような作為的な介入をして、
人の人生を動かすようなことをしたら、さすがにアウトです。
世に言う「別れさせ屋」のようなことまで求められても、
それは出来ない相談なのですね。
弁護士と別れさせ屋|弁護士がやってもよいこと
ただし、離婚をしたがっている相談者から、
探偵をつかって夫(なり妻)の浮気の調査をしたいといわれれば、
それを積極的にとめることまではしません。
本当に浮気の事実があるのであれば、それが証明できなければ話になりませんし、
この場合は、新たな人生の流れを弁護士が新たにつくっているわけではなく、
あくまで証拠の確保については相談者の判断でやってもらうだけですので、
まあセーフといったところでしょうか。
弁護士と別れさせ屋|知らぬが仏の深い意味
細かい話をすると、
探偵をつかってまで真実を暴くという作業が、
本当に「正しい」ことなのかどうかということについては、
私は実はいまもまだ結論がでていません。
知らぬが仏という言葉がありますよね。
それはそれで深い意味があるとも思っているのです。
知らなければ円満に関係を維持出来たものが、
知ってしまうことで関係を維持することができなくなる。
知らないふりはなかなかできませんからね。
でもまあ、相手の浮気を疑っている当事者の方に、
知らぬが仏ということもありますよ、だなんて、
そんなことも言ってられないわけです。
真相の究明こそがやはり相談者が望んでいることですし、
弁護士も基本的には真実を追及するのが仕事ですので。
弁護士と別れさせ屋|トラブルは別れの予感とともに
で話を戻しますと、
それでも弁護士は「別れさせ屋」の側面があると思っているのですね。
結局、トラブルは別れの予感とともにやってくるものなのです。
これは男女問題に限った話ではありません。
会社と従業員の関係でもそうですし、
会社同士の取引関係でもそうですし、
親子関係だってそうです(離縁、相続)。
だから弁護士は「別れさせ屋」の側面がある。
弁護士と別れさせ屋|弁護士の腕の見せ所
ただいわゆる「別れさせ屋」と違うのは、
積極的に作為的な介入をして、
事実をかえてしまうようなことをするのではなくて(浮気の事実がないところに浮気をさせてしまったりするのではなくて)、
本当に別れるべきなのか、
そもそも別れることができるのかどうか。
別れるとしても、どうやって別れるのか、どうやって別れるべきか。
うまく別れるにはどうすべきか。
よい条件で終えるためにはどうすべきか。
といったところを徹底的に考えぬいて、
とにかく今ある事実を前提として(置かれている状況に作為を加えない。ただし、必要な施策は打っていく)、
交渉を進めていく(裁判では主張、立証を積み上げていく)という点にその特色があるのです。
そしてこここそが、弁護士としての腕の見せ所なのですね。
今ある事実を前提とするといったところで、
どれだけ広くの事実を、どれだけ深く分析して、相手が痛い主張を組み立て、こちらに有利に話をすすめていくという能力のよしあしによって、
前提とできる事実の量も、それを前提に主張する理屈や内容や深みも全くかわってきてしまうのです。
つまりは弁護士の力量次第では、同じ状況におかれているはずの人の運命がかわりうるのです。
弁護士の腕の見せ所ですよね。
今日もがんばります。
ではでは。
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