弁護士の選び方(ホームページ編)

弁護士の選び方|顧客が弁護士を選ぶ時代へ(ホームページ編)

弁護士間の競争が激化してきた昨今、法律事務所にも集客力が求められる時代になりました。
とくに集客努力などしなくとも、知り合いからのご紹介を通じてという集客だけで十分運営できるという法律事務所もあるかとは思います(昔ながらの、昔からの事務所など)が、昨今は、ネット集客が主であるという法律事務所も珍しくないでしょう。
弁護士に相談してみようかな、と思い立てば、もはやわざわざ知り合いのツテを辿ってなどという頼りない手段でアクセスするのではなく、自分でネット検索をして、自分にとって良さそうな法律事務所を、自ら積極的に探すような時代に、もっというと複数の弁護士を比較検討して、そのなかからベストと思える弁護士を選ぶことができる時代になったのですね。

弁護士の選び方|まずは検索

しかし、法律事務所の数はいくつもあり、弁護士や法律相談という言葉で検索をしてみても、どこの法律事務所に行けばいいのか決断に困るほどの数の法律事務所があることがわかります。
そのため、
・地域名(例えば、新宿、銀座)+弁護士(法律事務所、弁護士事務所)ですとか、
・相談分野名(例えば、離婚、企業法務)+弁護士(法律事務所、弁護士事務所)ですとか、
の複合ワードで絞って、
検索される方が多いでしょう。

弁護士の選び方|ホームページの何に魅力を感じたのか

しかしそれでも、検索結果にでてくる法律事務所の数は膨大です。
本当にたくさんの事務所がでてきます。

皆さまが、弁護士選びをするとして、ではいったいどんな思考回路で法律事務所を探すことになるかといえば、
・とりあえず、ホームページを見て良さそうなところに行こうかな、
・お、ここの事務所は、大手っぽいぞ、ここなら安心かな、
・お、ここの事務所は、弁護士がたくさんいるようだからよさそうだ、
・お、ここの弁護士は、◯◯専門!と明示しているから、結果をだしてくれそうだ、
・お、ここの事務所は、初回相談無料!と明示しているから、とりあえず行ってみて損はないぞ、
等々、こんなことを考えることになるはずです。

そして、いくつかのホームページを見比べたうえで、最終的にどこの法律事務所に行ってみようか決断することになるはずです。

弁護士の選び方|ホームページで何がわかるというのか

同業者の冷めた目でみれば、ホームページが良さそうだからといって弁護士として優秀とは限らない、実際に話をきいてみなければ、実際にその弁護士の書く書面をみてみなければ、弁護士としての力量などわからないことは当たり前のことですが、利用者の方々はそんなことは考えもしません。
マーケティングの視点から、それぞれの法律事務所がそのウェブサイト上で謳っているその事務所の特徴(長所)、惹句に、思いっきり引っ張られて、相談に行く事務所を決断しているだけにすぎません(これは病院選び(=医者選び)や美容院選び(=美容師選び)など、依頼をお願いする相手個人の職人的能力・職業的能力が極めて重要となるサービス業全般に当てはまる話だと思います。)。
従いまして、数多の法律事務所のホームページを比較検討して、よし、ここに決めたぞ!と決断されたとしても、それはまだ、相談にいってみる法律事務所(弁護士)を決断したにすぎません。

弁護士の選び方|弁護士に会ってからがスタート

厳密にいえば、本当の弁護士選びは、その弁護士と直接対面して、話を聞いてもらい、見解・助言・見通しを伝えてもらうなかでようやくスタートラインにつくものです。直接対面したうえで、この弁護士に依頼しようと決断されるのであれば、それはそれでよいでしょうし、今ひとつピンと来ないな、どうも腑に落ちないな、というもやもやが残るようであれば、別の法律事務所(弁護士)にも相談してみる、その比較検討をしてようやく、その弁護士の力量を(ある程度)見極めたうえでの弁護士選びをしたことになるのだと思います。
ただ、実際上は、よほどのことがない限りは、ひとつの法律事務所(弁護士)にしか相談しないということになりがちなのかもしれません(忙しいなか、いくつもの法律事務所に相談してみよう、というのは、やはりなかなかに大変なことですので)。

弁護士の選び方|まとめ

とにかく、ホームページをみてそれで終わりではないということを肝に銘じていただければと思います。
美容院や皮膚科クリニックや整骨院など、1回行ってみたけど、リピートせずに、またネットで別のところを探している。
そんな人も多いかと思います。
法律事務所をハシゴしたり、あっちへいったり、こっちへいったり、ということが必ずしもよいわけではありませんが、少なくとも、弁護士が良さそうかどうかの見極めは、他のサービス業と同様、利用者であるあなたがしなければなりません。ホームページで良さそうだからで終わりではなく、そこからが出発点ということをとにかく忘れないようにしていただければと思います。
私としては、縁あっておいでいただいたご相談者の方には、事件として受任するかどうかにかかわらず、教えていただいた情報の限りで、可能な限りの選択肢、見通し、私の感想、意見、助言なりをすべてお伝えするようにしております。
そのうえで、私にご依頼いただいた場合は、数少ない判断材料のなかから、私に依頼しようとご決断くださったその尊いお気持ちを裏切ることのないよう、全力をあげてその任務にあたらせていただくものです。
この弁護士に依頼しようと選んでくださったその尊いご決断に、毎日、感謝しながら、私は今日も職務にあたっております。

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