弁護士とセカンドオピニオン

弁護士とセカンドオピニオン

セカンドオピニオン。

医療分野では聞き慣れた言葉ですね。
弁護士業界でも、珍しくなくなってきました。

その意図するところは、よりベターな選択(治療法、解決までの筋道)を求めてというところでしょうか。
セカンドにとどまらず、サード、フォースと何人もの医師や弁護士に見解を求めるという場合もあるかもしれません。
他の意見も聞いたうえで、判断したい。複数の意見を総合的に判断したい。
そんな気持ちもわかりますよね。

弁護士とセカンドオピニオン|ふたつの場面

皆さまが弁護士に相談する場合の話としては、
(1)正式依頼する弁護士を選定するために、複数の弁護士に相談してみる、という場合と、
(2)正式依頼している弁護士の方針に疑問をもってしまい、すでに進行中の案件について、これでよいのか知りたくて、ほかの弁護士にセカンドオピニオンを求めるという場合と、
ふたつの場合があるでしょう。

ここでは、セカンドオピニオンを求める際の注意点について、私なりの見解をお伝えしておきましょう。

弁護士とセカンドオピニオン|弁護士選びの場面

まず、
(1)正式依頼する弁護士を選定するために、複数の弁護士に相談してみるという場合
について考えてみましょう。

弁護士に依頼するにあたって、複数の弁護士に相談してみる。
それぞれの弁護士から、いろいろな話を聞いてみて、一番納得できた弁護士に依頼するということです。
弁護士選びのために複数の弁護士に相談してみて、どの弁護士を選ぶことになるのか。
これは、弁護士が示してくれた方針だけではなく、その人柄、価値観、説明のわかりやすさ、戦略の明確さ、頼りになりそうか、能力がありそうか、話があいそうか等々の総合判断することになります。
この弁護士なら望む結論に導いてくれそうだ(成果・結果)、
この弁護士にやってもらったのなら自分も納得できそうだ(過程・プロセス)、
とにかく、より納得できそうな解決を求めて、複数の弁護士に相談してみるというわけです。

私にご相談いただいた場合でも、やるのかやらないのか、どの方針でいくのかなど、とにかく決断がついていないご相談者の方や、私の説明や方針にいまひとつ納得がいっていなさそうな相談者の方には、私以外にも、いくつかの弁護士に相談してみることを勧めることもあります(とはいども、勧めすぎるのも余計なお世話かもしれませんし、私が能力がないよと言っているように誤解される可能性がなくもないので、本当にほかの弁護士にも相談してみるのもいいですよ、とお勧めすることが正しいのかどうかは実は難しい問題ではあると思っております)。

とにかく、まだ弁護士を決める前の話。
弁護士選びの場面での話でした。

弁護士とセカンドオピニオン|弁護士を変更したいという場面

次に、
(2)正式依頼している弁護士の方針に疑問をもってしまい、すでに進行中の案件について、これでよいのか知りたくて、ほかの弁護士にセカンドオピニオンを求めるという場合
について考えてみましょう。

これは微妙な、繊細な問題をはらんでおります。
私も、時折、この種のご相談を受けます。
先生、実は、既にほかの弁護士に依頼しているのです。
でも、その先生は、¥¥¥¥※※※※で、本当にこのままこの弁護士でいいのか、弁護士を変えたいと思っているのです。
というご相談なのです。

¥¥¥¥※※※※にあてはまる、よくある不満、懸念、疑念をあげてみますと、
・電話してもいつも不在といわれる。
・折り返しの電話もしてくれない。
・メールの返事もしてくれない、遅い。
・交渉の相手方の言いなりになっている。
・裁判所の言いなりになっている。
・こうして欲しかったのに、そうではなく、別の方針をとっている。
・これをやってほしいといったのに、今はまだと言われてしまう。
・自分の主張を、相手や裁判所に伝えてくれない。
・仕事していないのと同じな気がする。
・なかなか進まない。
・意見をしたら、怒られた。
といったところが、多いでしょうか。

このようなお話をきいたとき、私はどうするのか。
連絡があまりにとれない、といった場合は、たしかに困りましたねぇ。。と同情する面もあります。
しかし、それ以外の不満というものは、実際問題、なんとも判断できない事が多いですね。
担当弁護士には担当弁護士なりの考えや方針なり見通しいうものが(おそらく)ある。
どこまで依頼者の方とその考えなり方針なり見通しを共有できているかどうかという問題があるにせよ、
もし私が担当していたとしても、もしかしたら、今の担当弁護士と同じ方針でいく可能性もある。
要は、その弁護士に問題があるのかどうかなど、判断できるものではないのです。
裁判上の主張の応酬について、不満があるのであれば、それまでの裁判記録を全部みせていただければ、私なりの見解をお伝えすることはできるでしょう。
但し、その記録すべてを見て下さい、というレベルでセカンドオピニオンを求められたことは、今まで一度もないのですね。
結局、どれだけ不満を訴えられても、私としては、なんともお答えのしようがないことも多いのですね。

私の場合、よほどのことがない限り、次のようにお伝えする場合が多いです。
・ご不満や心配や疑問や質問について、もう一度、その弁護士に伝えて、今後のことについてこのまま依頼を続けていっていいものかどうかも含めて悩んでいることも伝えてみたほうがいいですよ。
・別の弁護士に依頼されるかどうかのご決断は、その後でも十分間に合うと思いますよ。
・新たに弁護士を依頼すれば、その分、弁護士費用も余計にかかります。
・まずは今の弁護士と、よくよく話し合ってみてください。
・それでも会うことすらままならない、納得する話し合いにならなかったということであれば、弁護士を変えるのも止むをえないかもしれません。
・とにかく、もう一度、お話しあいをしてみてください。
・そのうえで必要であれば、またご連絡ください。

とにかく、私は、相談者の方と一緒になって、その方がその時点で依頼している担当弁護士のまずい点に共感したり、方針について批判したりというようなことは、まずしません。
私のこのような対応は、せっかくセカンドオピニオンを聞きたくて、私の事務所にきていただいた方からすれば、私は私で不親切にみえるかもしれません。
でも、私は、これまでのその弁護士とその相談者の方とのやりとりの全容もしらないのに、その弁護士なりの苦労や深慮を顧みないで、こういう方針でいくべきだ!うちにくればそうします!などということはとてもではないですが、言う気にならないのです。

依頼者と弁護士は、なんでも話し合って、誤解が生じればそこも話し合ってなくしていくようにしなければ、本当に信頼関係など生まれません。
信頼関係を築いてみる努力を最後もう一度だけやってみて、それでもだめと考えるのであれば、弁護士を変更される、ということがよいと思いますよ、といった上品なことを言って、だいたいその日の相談が終わります。

弁護士とセカンドオピニオン|まとめ

たまたま相談した弁護士が、たまたま依頼した弁護士が、自分にとっては良い弁護士で、とくに不満がないというのであれば、わざわざセカンドオピニオンを求める必要はないかもしれません。せっかくよい方針で、よい流れで進めているのに、ご本人の心が別の意見にフラフラしてしまうと、うまくいくこともうまくいかなくなってしまうことだってありえますので。
ただし、何らかのトラブルを解決するための作戦や方針については、広く色んな角度から検討することはとても有意義なはずで、そのためには複数の専門家の意見をきいてみるということ自体はとてもよいことだと思っています。
大切なのは、完璧な弁護士はいないという前提を忘れないこと。
不完全な部分については、依頼者とその弁護士が膝を突き合わせて話しあったり、方針を検討したりするなかで、埋めていかなければなりません。
その弁護士に、あなたの人生に関わる情報(経験、価値観、状況)をどこまで与えるかによって、その弁護士があなたの代理人として、より望ましい完成形に近づくのです。そこの部分を忘れて、情報を与えていないのに、わかってくれない、言うことをきいてくれないと不満を募らせるのではもったいないのです。
弁護士を活用するのは依頼者自身の面もある、という視点をもったうえで、セカンドオピニオンについも賢く活用する。
そんなスタンスがよいのではないでしょうか。

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青島 克行

青島 克行弁護士・保育士・宅地建物取引主任者

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